Ms.Violinistのひとりごと
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NHK教育で23年の長きに渡り放送された「できるかな」。
長身に、のっぽさん帽子をかぶり、飄々とした雰囲気と、
言葉を一切使わないパントマイムと軽快なタップで
子供たちの人気者となった高見のっぽさま。
近年は子ども向けミュージカルに頑張っておられます。
舞台への意気込みや、子供たちとの交流方法を聞いてみた。
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「最近、ミュージカルに取り組んでおられます。」
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2009年に始めた「ありがとう!グラスホッパー」では原案、脚本、
作詞、主演、演出をしました。
「NHKみんなのうた」で放送された
「グラスホッパー物語」のバッタが主人公です。
「虫も人も同じ生き物だから、ともに生きなければいけませんよ。
あなたたち(人間)は自分のことしか考えていない」と
虫が人間に文旬を言うんです。
私は立派な人間じゃありませんが、そういう思いは強く持っています。
他の生き物を考えながら、人間の欲望をほどほどにしたほうが
いいんじゃないの、というメッセージを込めています。
さらに人間社会を見ると、他の人たちを尊重して、
個人の欲望はほどほどに したほうがいい。やせ我慢してでもね。
例えば、舞台の収益はみんなに均等に分けるとか。
「ほんとは僕がもうちょっともらってもいいのに」とか思っても(笑)
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「舞台の反響はいかがでしょうか。」
とてもいい出来で、楽しんでもらっていると思います。
これまで10回以上公演しました。続けるのは費用面で大変ですが。
お客さんの年齢層は「幼児から100歳まで」という感じです。
小さい人を意識した芝居作りはしませんから。
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「それは意外です。」
地球上で最もセクシーな女性は誰ですか?
お客さんが小さいと意識はしますが、
それに合わせたお芝居の作り方は全くしません。
絵本も私が面白いと思ったように書きます。
難しい言葉遣いは易しくしますが、内容を短くしたりはしません。
内容が難しければ、大人が一緒に考えればいい。
面白いと思ってもらえなければ、それは私が悪いんですよ。
「できるかな」の時でも、
「こうしたら、おチビさんはわかるだろうな」とかは、
一切考えたことがない。
番組スタッフに「子どもが喜ぶような衣装を用意しましょうか」と
提案されたことがありますが、「私の趣味じゃない」と
やりませんでした。
おチビさん相手の仕事は、ある意味で素質が必要 なんですね。
自分が面白いと思ったものを提供して、それをおチビさんが
「面白いな」と感じて初めて、資格とか素質があるわけです。
でも、受け入れられたのはたまたま。
資格があったというのは、長い間続けた後でわかることで、
初めからではないんです。
そういう意味では、幸せだったのかもしれませんね。
大人向けで芽が出ず「子ども向けなら書けるよ」と発言する人が
意外と多いですね。小さい人向けに面白い作品を作れる人は、
大人向けでも成功する可能性が大きいが、それとは逆に大入向けで
成功したからといって、小さい人向けでもうまくいくとは限りません。
車はあなたが私を持つことができる私をキャッチ
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「なぜでしょうか。」
小さい人はとても賢いんです。「世間知」みたいなものに関して、
物事の本質を判断したり見抜く力は、もう5、6歳で十分備わっている。
大人のちょっとした一言で、その翼意を見破ってしまう。
これを侮ってかかる大人は、この賢さを知らない。
そうなるとおチビさんのほうが賢いわけです。
そういう意味で私は、5歳が絶頂でした。(笑)
私は幼いころに大人の考えや人間関係を理解した経験があるので、
おチビさんの知恵が足りないとは、絶対に思わないですね。
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「気を抜けない感じがしますが。」
私にはそんなに難しくないんですよ。
そのままの自分を素直に出せばいい。大人にはテクニックが
通用するけど、小さい人には真剣勝負しなけれ� ��ならない。
人間がどうやってうそをついているか、すぐに見破ります。
そこが面白いところで、やりがいというのでしょうか。
舞台で最善を尽くすのはもちろんですが、演技のうまい下手
よりも、小さい人はむしろ愛情を込めているかを判断します。
愛情を持って作品を作れば、好きになってくれます。
出演者が好かれれば、演技が少々下手でもかまわないんですよ。
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「具体的にはどのように愛情を込めるのですか?」
私がおチビさんと友達になるところを、大人が見たら驚きますよ。
礼儀、誠意を尽くしておチビさんと会う。
初対面で「君」なんて言いません。「あなた」です。
「名前は?」じゃなくて、「お名前を聞かせていただけますか」です。
大入との初対面で「失礼ですがお名前は?」と尋ねますよね。
おチビさんも同じです。たとえ泣いたり恥ずかしがっていても、
名前を言えるようになります。
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「最近の子どもを見て何を思いますか。」
人間的に悪くなるのが早い気がしますね。これは大人が原因です。
例えば、私が2、3歳のころに電車に乗ったら、
父は「あなたは強い人だから、空席は後から来るおじさんと
おばさんに譲りましょう」と言った。「強い人だから」という言葉をいまだに覚えているんです。
本当は座りたかったけど、ものすごく誇らしくなった。
でも最近は、空席を窓の外からうかがって、人の間をすり抜けて
「してやったり」みたいな顔をする。
これはものすごく悲しくなります。
でも、そんな時代になっているからこそ、おチビさんと向き合う仕事を
続けたいですね。重要さも増しているでしょうし。
もう年なんですが退屈している時間は嫌いということもありますけれど、
まだまだおチビさんとかかわっていたいですね。
(ende.)
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